測定できる新型コロナウイルスの抗体は2種類あります。
ワクチン接種後の確認のためにはスパイク蛋白に対するS蛋白の抗体を測定します。
N蛋白は主に過去の感染の有無を判定するのに有用です。
スパイク蛋白(S蛋白)抗体検査
新型コロナウイルスのワクチンは、S蛋白(スパイク蛋白)に対する抗体を誘導するよう設計されています。ワクチン接種の効果判定にはS蛋白の抗体検査が有用です。
ただし十分な免疫があるかどうかの基準はまだ定まっていません。今後、B型肝炎や麻疹・風疹のように抗体検査による判定が一般的になるかもしれませんが、2021年10月現在ワクチン接種後に抗体が付いたかどうかを検査で判定することは必須とは考えられていません。
試薬 | ロシュ社「Elecsys Anti-SARS-CoV-2 S」 |
方法 | ECLIA法 |
単位 | U/ml |
基準範囲 | 陰性(-) 0.80U/ml未満 |
報告範囲 | 0.40未満~999.99以上 |
所要日数 | 2~3日 |
備考 | SARS-CoV-2(S)タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に対する抗体(IgGを含む)を測定する定量検査 |
N蛋白抗体検査
N蛋白(ヌクレオカプシド蛋白)は過去の感染の有無を評価できます。ワクチンを接種してもN蛋白は誘導されないため、感染したことがない人は陽性にはなりません。そのためワクチン接種後の評価には適していません。
試薬 | ロシュ社「Elecsys Anti-SARS-CoV-2」 |
方法 | ECLIA法 |
基準範囲 | COI:1未満 判定:(-) |
報告範囲 | COI:1.00未満~最終値 判定:(-)(+) |
所要日数 | 2~3日 |
費用
S蛋白抗体 | 7700円 |
N蛋白抗体 | 7700円 |
S蛋白抗体・N蛋白抗体 | 12100円 |
(税込み)
予約
予約不要です。体調がよいときに直接ご来院下さい。結果を郵送希望の方は受付でお申し出下さい。
参考
当院のスパイク蛋白(S蛋白)検査は千葉大学の報告と同じ試薬を用いています。
『ワクチン2回接種 若い女性ほど抗体量増加 千葉大学病院』(NHK)
『コロナワクチン後の抗体価、上がりやすい因子と上がりにくい因子/千葉大』(CareNet)
『新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇』(千葉大学ニュースリリース)