帯状疱疹のワクチンは従来の生ワクチンである「水痘ワクチン」と、新たに開発された不活化ワクチン(サブユニットワクチン)である「シングリックス」の2種類があります。
2017年10月アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)は、生ワクチンよりもシングリックスが望ましいとの声明を出しています。1
「水痘ワクチン」
安価ですが発症予防効果は50%程度、帯状疱疹後神経痛予防効果は60%程度です。
10年で効果が消失することが判明しています。
「シングリックス」
発症予防効果は90%程度、帯状疱疹後神経痛予防効果は90%程度とされています。
最近発表された長期試験では11年目で82.0%の有効性が報告されています。
帯状疱疹とは
水痘(みずぼうそう)にかかると、その原因の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は背中の神経節に潜伏します。
何らかのきっかけでウイルスが再活性化して帯状疱疹を発症します。
発症率
帯状疱疹の発症率は50歳代から上昇し、その後ピークをむかえます。
80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。
誘因/症状
過労や加齢に伴う免疫機能低下、悪性腫瘍、手術や放射線照射などがあげられます。
原因がわからないこともよくあります。
赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れ、刺すような痛みがあります。
発疹が出る前に痛みだけが出たり、発疹がないこともあります。
合併症
「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる痛みが長く残ることがあります。
顔に発症すると顔面神経麻痺や失明などの後遺症を残すことがあります。
シングリックス
1.接種料金(税込)
22,000円(1回接種あたり)×2
(江東区の助成は2025年3月31日まで延期)
2.接種年齢
50歳以上
3.接種回数
2回接種が必要です。
2ヶ月間隔をあけます。2ヶ月を超えても6か月後までに接種を行います。
- Dooling KL et al., Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices for Use of Herpes Zoster Vaccines. MMWR Weekly Rep 67;103–108,2018) ↩︎